HIDの不具合はバルブ・バラストどっちが多い?HIDの寿命について - fcl. (エフシーエル)

HIDの不具合はバルブ・バラストどっちが多い?HIDの寿命について

fcl.にはお客様から「これは壊れていますよ」という製品が送られてきます。こちらからお願いする場合もあれば、開発に役立ててくださいとご善意で送られてくる場合もあります。
弊社では開発・改善のために、これらの商品を検品したりします。
その中で、気になるのは「HIDバラストの故障」とお客様が印などをつけてくださっているのですが、検査してみると、バラストの故障ではなく、バルブの寿命で、不点灯になっているケースが多いのです。意外ですよね。
そこで今日は、意外と知られていないHIDバルブの寿命についてお話してみたいと思います。

HIDの寿命は本当に2000時間?

HIDの寿命は一般的に2000時間といわれています。この2000時間、バルブの寿命の話です。バラストは10年前後でも壊れない耐久性があります(fcl製品の場合)。ただ、「2000時間」は動作を確実に保証するという期間ではなく、あくまでもそれだけの期間使用できるように設計されていますよという意味なんです。
例えば、バラストは実際に使用する環境はエンジンルームの中で80度以上の厳しい環境の中ですし、バルブも頻繁にON/OFFすると電極の減りがはやく、厳しい環境の中で使用されることが多い。
例えて見れば、HIDの寿命は車の燃費と同じようなもの。
メーカー公表燃費と、実燃費には大きな違いがあるのと同じように、HIDも単純計算で毎日60分を乗ったとしたら2000時間で約5年使える計算になりますが、実際の使用条件を加味すると5年未満が平均寿命になります。

故障するのはバラスト?バルブ?

fcl.に「故障かも」ということででよく送られてくるのが3~4年ほど使用したHID。問い合わせ内容は「バラストが故障?」という内容が多いのですが、3~4年お使いでしたら、まずはバルブの寿命を考えた方がいいです。
ご自身で左右入れ替えなどのトラブルシューティングをしてみたところ、入れ替えても症状が改善しないということで消去法で「バラストの故障」と断定される方も多いのですが、特定ミスをされている場合が多いです。
もちろん、バラストもコンデンサーの劣化などで故障することもありますが、先に述べたようにバラストは過酷な状況下でなければ10~20年はもつほど耐久性のあるパーツですからそう簡単に故障しません。
一方、公道では片目ヘッドライトの車をよく見かけるように、バルブはその変化に気づきにくいせいか、寿命に気づかないという方も多いようです。

HIDの最も簡単なトラブルシューティング

HIDのトラブルシューティングは左右入れ替えがメジャーですが、もっと簡単な方法があります。
それは、片側だけで点灯確認する方法。
まずは故障していると思われる側を点灯させてみること。点灯したら、故障症状の原因は電圧不足で、製品故障ではありません。もし点灯しなかったら、バルブはそのままで、今点灯させていない側(正常だと思われる側)のバラストを持ってきて点けてみる。両方のバラストでつかなかったらバルブがダメということです。
バラストが両方壊れているというケースは極めて稀なので、このやり方でトラブルシューティングしてもらえれば原因はすぐに判別できます。
次に答え合わせ。今度は両方のバラストを、1個ずつ点灯していたバルブにつけて見ます。両方点灯したら、バラストの正常確認ができます。また、こうした入れ替え作業で、軽い錆びや、接触不良が改善されて、トラブルが解消される事もあります。
※症状がランダムだったり、作業が難しいようでしたら、遠慮なくfcl.へ検品依頼をしてくださ

バルブの寿命はどうやって判別する?

バルブの寿命を判断するときは、バルブの発光点などを見て判断される方が多いのですが、実は、見た目だけで判断するのはいけません。
3~4年お使いの寿命のバルブ、ほぼ共通して、発光点の回り、ガラス管が劣化してスリガラスのようになっています(付着物ではありません)
ただ、それを含めましても、目で見て、判断できるケースって、少ないんです。

実際点灯するHIDと不点灯のHIDの違いを見てみましょう!

まずは点灯するHIDの発光点。
次に不点灯のHIDの発光点
「わかりにくい!」と思った方、その通り。ここでお伝えしたいのはHIDの発光点の色、沈殿物からではバルブが切れているのか判別できないということです。
しかし、稀に目でみてバルブ切れを確認できるケースもあります。ということで以下では画像とともに説明していきます。
①発光点の中の物質が変質し、固形化してしまっている。
②赤く囲っている中。発光点の上のガラスに封入されている金属部分が焼けきれて黒くなっている。H4のバルブはこの様に切れるケースが多いです。
③発光点のガス漏れにより、ガラス管の外管の内側に付着している。D4バルブのバルブはこのケースが多いです

HID寿命のサイン

HIDバルブの正確な寿命把握は難しいですが、再点灯・変色・チラつきなど寿命が近づいているサインは存在します。「ヘッドライトをHID化して結構経ったなぁ」という方は、ライトの光に変化がないか気にかけてみてください!

一回瞬いてまたすぐ正常点灯に戻る

バルブの老化にともない「管に流れる電圧(管圧)」が上がることによって起きます。この症状はバラストにも負荷がかかってしまうため故障の原因にもなります。

変色や光量の低下

これが二つ目のサインですが中々気づけないパターンですね。HID化した時の明るさに感動したものの、毎日車に乗っていると気づきにくいと思います。

チラつきが起きる

この状態はいよいよ最終段階です。ピカッピカッピカという点滅ではなくフワフワと揺らめく種類のチラつきが出たらそれは寿命の合図となります。

まとめ

ライトは寿命を迎えてからの交換では遅いので、日々の点検も大事。
バイクであれば暖気している間にウィンカーなどライト類をチェックしたりしますが、車の場合は運転席に座ってしまうためおろそかになってしまいがちです。
それでも車庫やいつも通っている道のライティングを、少し意識して確認するだけでもその変化を十分に読み取ることができる場合があります。それか、定期的に写真を撮影するなどして光量落ちや変色を見逃さないようにしましょう。

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記事について
  • 商品改良の為、仕様・外観は予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。商品の仕様などは、モデルの変更に応じて、変わります。必ず最新の商品ページをご確認ください。
  • 取付レポートに関しましては、あくまでも取付例となりますので、お車の年式、グレード、仕様によってバルブ形状、取付方法が異なる場合がございますので、予めご了承ください。
  • HIDやLEDは高電圧を発生するため、取付けには大変危険を伴います。取付けの際は、バッテリーのマイナスターミナルを外し、ヘッドライトのスイッチをOFFにした状態で行ってください。
  • お車のグレードや仕様によっては別途バルブアダプター、キャンセラー等が必要になりますので、予めご了承下さい。
  • 記載の情報はあくまで一例となります。取り付けの際に起こった損害や、バルブ形状が異なるなどの責任は負いかねます、予めご了承ください。
 
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