LEDライト選び、「数値の高さ」だけで決めていませんか?
「ルーメン」「ケルビン」「カンデラ」…自動車のライト選びでは、普段あまり目にしない単位がたくさん出てきて、混乱してしまいますよね。
そして「よく分からないから、とりあえず一番明るそうな(=数値が高い)ものにしよう…」と、半ば諦め気味に選んでしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、その選び方は「思ったより暗かった」「すぐ切れてしまった」という失敗に繋がる可能性があり、とても危険です。
本当に満足できるライトを選ぶためには、「数値が持つ本当の意味」と「数値以外の重要な要素」をきちんと理解することが不可欠です。
この記事では、ライト専門店のfcl.が、どこよりも分かりやすく、正直に、ライト選びの基準を解説します!
ルーメン・ケルビン・カンデラ・ルクスとは?
車のライト性能を語る上で必ず出てくるのが、この4つの単位です。それぞれが示す意味は全く異なります。
簡単に言うと、以下のようになります。
単位 | 意味 |
ルーメン(lm) | 光源(LEDバルブ本体)が放つ光の総量。「バルブ自体の明るさ」 |
カンデラ(cd) | 車両に装着後、ヘッドライトユニットを通して前方を照らした光の強さ。「特定の方向への明るさ(車検基準)」 |
ケルビン(K) | 光の「色」を表す単位。「光の色温度」 |
ルクス(lx) | 光に照らされた「面」の明るさ。「照らされた場所の明るさ」 |
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
ルーメン(lm)| 本当に見るべきは「実測値」と「安定後の数値」
ルーメンは、バルブ本体が持つ光の総量、つまり光源そのものの明るさを表す単位です。もちろん、この数値が高い方がより明るい光を放つポテンシャルがあると言えます。しかし、商品を選ぶ際にルーメン数だけを見ていると、思わぬ落とし穴にはまるため注意が必要です。
注意点①:「高ルーメン=高性能」とは限らない
ルーメン数が高いということは、それだけLEDチップが大量の熱を放出することも意味します。熱対策(放熱設計)が不十分な製品では、LEDチップが早期に劣化し、すぐに故障するリスクが高まります。 また、バルブから放たれた光を、無駄なく路面に届ける「配光設計」も極めて重要です。配光が悪いと、いくら高ルーメンでも光が散ってしまい、路面は暗いまま、対向車を眩惑させるだけの危険なライトになってしまいます。
高品質な放熱・配光設計にはコストがかかるため、「高ルーメンなのに極端に安価」な商品は、これらの重要な設計が不十分である可能性を疑う必要があります。
注意点②:市場には「実態と異なるルーメン表記」が溢れている
ルーメン数の表記には法的なルールがなく、販売業者によって基準がバラバラなのが現状です。
本来、ルーメン数を実測するには「積分球」という専門機器が必要で、正確に測るのは容易ではありません。
ライトメーカーとしては大変残念に思うことですが、一般の方では気軽に測定できないことをいいことに、本来の性能よりも高くした数値を出している販売業者や、実際には計測せず、理論上の数値を掲載している業者が多数存在しています。
注意点③:カタログ値/実測値とは?
カタログ値
(理論値) | LEDチップのスペックシート上の最大性能に、チップ数を掛け合わせただけの理論上の数値。実際には様々な要因で光量が低下するため、実測値はカタログ値よりも必ず低くなります。 |
実測値 | 「積分球」という専用の専門機器を使い、製品として完成した状態で実際に放つ光を正確に測定した数値。 |
残念ながら、測定コストをかけず「カタログ値」をそのまま掲載したり、実測とかけ離れた数値を表記したりする業者が後を絶ちません。fcl.が市場の製品を多数計測したところ、公称値の半分以下の明るさしかない製品も多数存在しました。 「実測値」を公表しているかどうかは、そのメーカーの信頼性を測る一つのバロメーターになります。
注意点④:本当に重要なのは「安定後のルーメン値」
ライトのルーメン値が実測かカタログ値かという点も大切ですが、計測タイミングが数値に与える影響も見逃せません。
LEDライトは、点灯直後が最も明るく、数分かけて徐々に明るさが安定していきます。放熱性能が低い製品では、この光量低下(熱ダレ)が著しく、点灯5分後には30%以上も暗くなるケースも珍しくありません。
大切なのは、走行中に安定して得られる明るさです。メーカーが公表している実測値が、「点灯直後の最大値」なのか「安定後の数値」なのかも、信頼できる製品を見極める重要なポイントです。
【fcl.のこだわり】
fcl.では、国内の専門機関に依頼し、「積分球」による実測値を測定しています。さらに、実際の走行シーンで最も重要となる「点灯5分後の安定したルーメン値」を基本の公称値として採用しています。
(※バックランプなど瞬間的な明るさが求められる部位は、使用状況に合わせて適切な測定基準を設けています)
ルクス(lx)とカンデラ(cd)| 混同しやすい「明るさ」の指標
ルクス(lx)とは?
ルクスは、光に「照らされた面」の明るさを示す単位です。同じ光源でも、壁に近づけて測れば数値は高くなり、離れれば低くなります。
自動車用ライトの性能評価には統一された測定基準がないため、「何メートル先を測るか」で数値をいくらでも操作できてしまいます。もし商品ページでルーメン値を示さず、ルクス値だけを強調している場合は、その数値を鵜呑みにしないよう注意が必要です。
カンデラ(cd)とは?
カンデラは、ヘッドライトユニットにバルブを装着した状態で、「特定の方向(前方)」を照らす光の強さ(光度)を示す単位で、車検の保安基準として用いられています。
しかし、カンデラ値はヘッドライトユニット自体の形状や、レンズ・リフレクターの劣化具合に大きく左右されるため、同じバルブでも車種や車両状態によって数値が大きく変動します。
そのため、バルブ単体の性能を示す指標としては不向きであり、多くのメーカーは「ルーメン」を基準値として採用しています。
【注意】カンデラ表記のトリック
カンデラは、ルーメンに比べて数値が非常に大きくなる傾向があります(例:6,200lm → 43,600cd)。この特性を利用し、ルーメン値を併記せずカンデラ値だけを大きく表示することで、実際以上に明るい製品であるかのように誤認させる表記が見られます。
明るさを比較する際は、同じ単位(基本はルーメン)で確認することが大切です。
ケルビン(K)| 明るさではなく「光の色」を表す単位
まず最も重要なのが、ケルビン(K)は光の「色温度」を表す単位であり、明るさ(ルーメン)とは一切関係がないということです。
- ケルビン数が高くなるほど、光は青白くなります。
- ケルビン数が低くなるほど、光は黄色や赤みがかった色になります。
ケルビンの数値が極端になるほど個性的な色味になりますが、一般的に路面を照らす「視認性」は低下する傾向があります。そして、この「色」は車検に大きく関わってきます。
車検に通る色味は?
車検で定められているのは「色」であり、ケルビン数の具体的な数値ではありません。そのため、最終的には検査官の判断に委ねられますが、一般的には以下の範囲が目安とされています。
一般的に、車検対応とされるホワイトは概ね6500K前後までが安全圏です。8000Kのような青みが強い光は、検査官に「青色」と判断され不適合となる可能性が高いです。また、色が濃くなるほど路面での視認性は低下する傾向があるため、実用性も考慮して選ぶことが重要です。
ヘッドライト
ヘッドライトは、車の製造時期によって、車検対応の色味が異なります。平成17年以前の車なら、イエローもOKですが、平成18年以降の場合はホワイトのみ車検対応となります。
フォグランプ
フォグランプの車検時の保安基準では色味は「白色または淡黄色」であることと記載されています。つまり、ホワイトとイエローであれば車検対応となります。
ホワイトとイエローの切り替え式であれば、保安基準上は問題ありません。ただし、点灯時は必ず「左右同じ色で同時に点灯」している必要があります。ライムイエローはイエローの一種として扱われますが、稀に検査官が「緑色」と判断する可能性もゼロではありません。車検時はホワイトまたはイエローで検査を受けるのが最も確実です。
もっと詳しい内容は下記の記事をご確認ください。
まとめ
「ルーメン数が高ければ高いほど良い」という考え方は、時に危険です。 本当に信頼できるライトを選ぶためには、
- ルーメン数が「実測値」かつ「安定後の数値」であるか
- 放熱性や配光設計など、明るさを支える基本性能がしっかりしているか
- カンデラやルクスといった異なる単位の数値に惑わされていないか
といった点を確認することが非常に重要です。
安易に「安くて数値が高いもの」を選ぶと、「安かろう悪かろう」な製品に遭遇するリスクが高まります。ぜひ、この記事で紹介した知識を活用し、賢く、そして安全なライト選びをしてくださいね。
fcl.の公式インスタグラムでは、ライトの選び方はもちろん、製品に関する様々な豆知識なども定期的に公開しています!よろしければぜひフォローしてみてください!
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- 商品改良の為、仕様・外観は予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。商品の仕様などは、モデルの変更に応じて、変わります。必ず最新の商品ページをご確認ください。
- 取付レポートに関しましては、あくまでも取付例となりますので、お車の年式、グレード、仕様によってバルブ形状、取付方法が異なる場合がございますので、予めご了承ください。
- HIDやLEDは高電圧を発生するため、取付けには大変危険を伴います。取付けの際は、バッテリーのマイナスターミナルを外し、ヘッドライトのスイッチをOFFにした状態で行ってください。
- お車のグレードや仕様によっては別途バルブアダプター、キャンセラー等が必要になりますので、予めご了承下さい。
- 記載の情報はあくまで一例となります。取り付けの際に起こった損害や、バルブ形状が異なるなどの責任は負いかねます、予めご了承ください。
エフシーエルは、高品質素材の厳選&高い技術力で皆様と一緒に愛車を育てるブランドです。
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