ルーメン・ケルビン・カンデラってわかる?- LEDヘッドライト・フォグランプの正しい選び方-

とりあえず”数値が高ければいい”は卒業しよう

ライト関連の数値は普段あまり聞かない横文字がたくさん出てくるため、混乱しますよね。
そして「よく分からないから、とりあえず一番明るそうなやつにしよう…」と諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、正しくライトを選ぶためには、「数値の意味」をきちんと理解することがとても大切なんです。今回は、世界一わかりやすく用語を解説していきます!
ルーメン・ケルビン・カンデラ・ルクスとは?
車のライトを語るときに、必ず出てくるのはルーメン・ケルビン・カンデラの3つ。
そして最近新たに「ルクス」という単位が使われ始めていますが、簡単に言うと下記の図の通り。

ルーメンとカンデラはどちらも明るさの話だけれども、ルーメンはバルブ本体の光の強さ。カンデラは車両装着後の照射した明るさを測っているんですね。
ルーメン数とは
ルーメン(lm)は、バルブ本体が全方向に放出する光の総量を表す単位、つまりバルブ本体が持っている明るさのことです。

「ルーメン数が高い=明るい」ということなので、高い方が良いこともあります。ただし、商品を選ぶ際にルーメン数だけを見ていると、思わぬ粗悪品を購入してしまうこともありますので、注意が必要です。

「じゃあやっぱりルーメン数が高いほうがいいんだね」と思うのは要注意です。
実際に車に装着すると、バルブから放出された光がすべて照らすべき範囲に向かうわけではありません。もし配光が悪ければ光が散ってしまい、十分に明るくならないだけでなく、対向車にも迷惑がかかります。
そのため、配光に関する緻密な商品設計が非常に重要なのです。

「ルーメン数が高い=明るい」ということは、LEDチップがそれだけ大量の熱を放出しているという意味でもあります。そのため、LEDバルブの放熱設計がとても重要です。もし熱対策が不十分な商品を選んでしまうと、バルブが過熱状態に陥り、すぐに故障するリスクも高まります。
一方、放熱性を重視するには高品質な素材や細やかな設計が欠かせないため、どうしても商品価格は高くなりがちです。つまり、「高ルーメンなのに安価」という商品を探すと、実は熱対策が十分でない粗悪品をつかまされる可能性があるので、注意が必要です。
実際のルーメン値とは異なる表記があふれている
ルーメン数には法的な表記ルールがないため、販売業者によってルーメン値の表記方法は異なります。

本来、ルーメン数を実測するには「積分球」という専門機器が必要で、正確に測るのは容易ではありません。
ライトメーカーとしては大変残念に思うことですが、一般の方では気軽に測定できないことをいいことに、本来の性能よりも高くした数値を出している販売業者や、実際には計測せず、理論上の数値を掲載している業者が多数存在しています。

エフシーエルで多数の商品の計測を行ってみたところ、数倍近く数値を盛っているものが多数ありました。
カタログ値とは?
カタログ値とは、LEDチップの最大性能に基づきチップの数を掛け合わせて算出した理論上のルーメン値のことです。
実際には、製品化後に発生する電流や本体の温度などの影響を受けて光量が低下するため、実測ルーメン値はカタログ値よりも低くなるのが一般的です。

仕入れた商品を十分に検証せずにそのまま販売したり、極端に安価で提供している場合、実測値の測定や管理にかかるコストをかけにくいため、理論上のカタログ値をそのまま掲載しているケースが多いようです。
実測値とは?
実測値とは、「積分球」と呼ばれる専門機器を使って、製品が実際に放つ光を正確に測定した数値です。

実測値を公式に採用しているメーカーは少なく、エフシーエルの調査によると、公称値と実測値に差がないメーカーは、測定方法やカタログ値の根拠をサイト内で丁寧に説明している傾向があります。
そのため、商品ページやサイトの記載内容をしっかり確認することが大切です。
弊社では、国内の専門機関に依頼をして計測をしています。
計測のタイミングも超需要!
ライトのルーメン値が実測かカタログ値かという点も大切ですが、計測タイミングが数値に与える影響も見逃せません。
LEDライトは点灯直後がもっとも明るく、数分かけて安定するまで徐々に明るさが下がります。放熱性能が低い商品では“熱ダレ”を起こし、点灯後しばらくすると30%ほど暗くなるケースもあるのです。
つまり10,000lmが7,000lmに落ち込むなんてことも…
この熱ダレを抑えるためには技術が必要です。そのため、ハイルーメンバルブはどうしても高価になってしまうのです。

実測値を使っているメーカーでも、点灯直後の一番明るいルーメン数を採用しているのか、それとも明るさが落ち着いてからのルーメンを採用しているかは、メーカーごとに異なります。点灯直後の一番高い数値を採用しているメーカーも多いようです。
エフシーエルでは、走行時のルーメン数が大事だと考えているため、基本的に安定した点灯5分後のルーメン値を採用!長時間点灯せず、瞬間的な明るさが必要なバックランプなどの部位は、点灯直後のルーメン値を採用しています。
ルクスとは?
ルクス (lux) は、照射面の明るさを表す単位です。灯体(バルブやヘッドライトユニット)から照射面までの距離によって、数値が大きく変動します。
室内照明には計測ルールが定められていますが、自動車用ライトには統一基準がなく、「何メートル先から測るか?」次第で数値をいくらでも変えられるのが現状です。
たとえば、下記の図のように壁に近づけて測定すれば数値は高くなり、離れれば低くなるだけで、本当の明るさとは別問題といえます。

最近では、商品ページでルーメン(lm)の実測値を掲載せず、わざわざルクスを使うライトメーカーも見受けられます。
ルクス(lx)とルーメン(lm)はどちらも光に関わる単位ですが、意味合いが異なるため混同に注意が必要です。特に車用ライトの性能を図るうえで、ルクスを“明るさの基準値”として掲げるのは適切とは言い難いので、鵜呑みにしないようにしましょう。
カンデラとは

車用のLEDは、ヘッドライトなどの灯具に光源を組み込み、前方を照らす仕組みです。そのため、車検の際にはヘッドライトを通した状態の明るさを表す指標としてカンデラ(cd)が基準となっています。
ところが、カンデラ値はヘッドライト本体やリフレクターの劣化状況などの影響を受けやすく、同じバルブを同じ車種に装着しても数値が大きく変わってしまいます。
そのため、実際に車に取り付けて測定しないとわからないため、商品の性能を示すには不便な面があり、多くのライトメーカーは製品自体の明るさを示すためにルーメン(lm)を採用しているのです。
商品ページにカンデラだけ使われている場合は注意
ところが最近では、商品ページでルーメン値の代わりにカンデラ値を強調している事例も見られます。カンデラは数値が大きくなりがちなため、通販サイトの一覧などで表示されると、圧倒的に明るく感じてしまうという誤解が生じやすいのです。

たとえば、エフシーエルのH4商品では「カンデラ:約43,600cd」「ルーメン:約6,200lm」ですが、カンデラ表記だけだと非常に明るい印象を与えますよね。実際の明るさを正しく比較するためには、自分が見ている数字は同じものなのか、ルーメン数であることを確認することが大切です。
3.ケルビン数とは
ケルビン数とは、ライトの光源が発する光の色温度を表す数値です。
色味を表す数値なので、明るさとは異なる数値であることを把握しておきましょう。一般的に販売されている車用ライトのホワイトは5500~6500Kとなっています。

数値は高くなるにつれ青く、低くなるにつれ赤く変化していきます。数値が極端になるほど色味は濃くなりますが、明るさが出にくいので要注意です。色味は車検にも大きく関わってきます。
a.車検に通る色味は?
車検対応の色は部位ごとで異なるため、購入前に交換希望部位の車検要項を確認する必要があります。ただ、色の指定はあっても、実際には明確なケルビン数の指定はありませんので、「これってどうだろう..?」と悩む色は、検査官の判断によって決定されるリスクがあるということを覚えておきましょう。

POINT
青いヘッドライト・フォグは、車検非対応が基本!
8000Kなどの「青みがかっている」ライトについては、 検査官が青いと判断するかどうかによって結果が変わります。色味は電球色に相当する3500K前後か、ホワイトの4300K-7000Kくらいまでを選ぶのが無難です。
ヘッドライト
ヘッドライトは、車の製造時期によって、車検対応の色味が異なります。平成17年以前の車なら、イエローもOKですが、平成18年以降の場合はホワイトのみ車検対応となります。

フォグランプ
フォグランプの車検時の保安基準では色味は「白色または淡黄色」であることと記載されています。つまり、ホワイトとイエローであれば車検対応となります。

<2色切り替えフォグランプって車検に通るの?>
色がホワイトまたはイエローであれば基本的に通ります。保安基準には色以外にも、「同じ色で同時に点灯する」という要項があります。左右で色が異なっている場合は落ちてしまいます。ライムイエローは、車検対応のイエローですが、検査官の方が「緑である」と判断した場合に、落ちてしまう可能性があるため、ホワイトかイエローで車検に出すのがおすすめです。
もっと詳しい内容は下記の記事をご確認ください。
まとめ

「ルーメン数は高ければ高いほどいい」はちょっと危険な考え方!車・バイク用のライト選びにはルーメン数だけでなく、放熱性などその他の性能とのバランスもとっても大事です。
安易に「安くて数値が高いものを選べばいい」と軽い気持ちで選んでしまうと、安かろう悪かろうに遭遇してしまうリスクが上がってしまいます。数値の内容を覚えて、賢くお買い物をしましょうね!
エフシーエルの公式インスタグラムでは、ライトの選び方はもちろん、豆知識なども定期的に公開しています!もしよければフォローしてみてくださいね!
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記事について
- 商品改良の為、仕様・外観は予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。商品の仕様などは、モデルの変更に応じて、変わります。必ず最新の商品ページをご確認ください。
- 取付レポートに関しましては、あくまでも取付例となりますので、お車の年式、グレード、仕様によってバルブ形状、取付方法が異なる場合がございますので、予めご了承ください。
- HIDやLEDは高電圧を発生するため、取付けには大変危険を伴います。取付けの際は、バッテリーのマイナスターミナルを外し、ヘッドライトのスイッチをOFFにした状態で行ってください。
- お車のグレードや仕様によっては別途バルブアダプター、キャンセラー等が必要になりますので、予めご了承下さい。
- 記載の情報はあくまで一例となります。取り付けの際に起こった損害や、バルブ形状が異なるなどの責任は負いかねます、予めご了承ください。
エフシーエルは、高品質素材の厳選&高い技術力で皆様と一緒に愛車を育てるブランドです。
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